一般図と主題図

一般図とは、ある地図辞典によれば「表現事象がすべてまんべんなく描かれている地図」とされているが、別の言い方をすれば、特定の表現主題のない地図、ないしは多目的使用を指向する地図ということもできる。そこで多目的図または汎用図とも呼ばれている。

例えば、国土地理院で発行されている2万5千分の1地形図、 5万分の1地形図や20万分の1地勢図、 50万分の1地方図などは、代表的な一般図であり、各市町村が行政上のさまざまの用途のために作成している2,500分の1あるいは5,000分の1といった大縮尺の地図類も一般図である。

また、学校用の地図帳で「基本図」と呼ばれている地図、 すなわち平野を緑、丘陵・山地を黄色ないし茶色、海やi削・河川を青で彩色し、そこに大小の都市や鉄道・道路などを記しである地図も、一般図である。学校の授業中に掛けて用いる掛地図も、同様の一般図が多い。また、1枚ものの都道府県地図、あるいは市街図の類も、多目的使用という点で一般図であるし、 1戸ごとに居住者の名を記した「住宅地図」も、一般図に含ませて考えてよいであろう。

ところで、これらの一般図には、どのような内容が記載されているであろうか。「すべてまんべんなく」とか「特定の表現主題がない」とか「多目的使用」とかいった漠然とした言い方でなしに、その内容を積極的にいいあらわすとどうなるか。スイスのある地図学者は、 「地表の形態、種別、地物が主である」としている。また「地図の3要素」を主体にした地図ということもできる。

3要素とは、地形と集落と交通路の三つであり、併せてそれらの名称も記載されている。この場合、地形には、海岸線・山地・平野・湖沼・河川・海域などがすべて含まれる。集落は、中縮尺の地形図では村落や市街地であるが、学校用地図帳の基本図では、大きな都市については市街地をその広がりで示し、市町村をその人口段階別に記号で示している。都道府県のような広域の行政区画名やその境界線(地形図の場合は市町村名とその境界線)も、集落の関連事項とみなすことができる。交通路としては、鉄道・道路のほかに、航路・港湾・空港などがあらわされている。以上のように、地図の3要素を主体とする、多目的使用を目指した地図が一般図である。

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